HSPが学校・職場など一つの場所に居続けるのが苦手な理由

HSPの人の敏感さは人間関係にも様々な影響を与えます。HSPは、人一倍、いや普通の人の十倍くらい人間関係の悩みがつきません。一般的な人と同じように、人恋しさや寂しさという感情があるのにも関わらず、感受性が高すぎるせいで人とうまく付き合うことができずに、孤立してしまう人も多いと思います。

特に、学校や職場での人間関係は、HSPが人生のうちで一番悩む問題だと思います。私自身、今までの人生の大部分を、学校や職場の人間関係に悩む時間に費やしてきてしまいました。悩んで何か解決策が見えてくればいいのですが、悩んだ時間の意味は全くなく、ただ無駄な時間を過ごしただけでした。

それで最終的に、学校や職場など一つの場所に居続けることが非常に苦痛に感じる理由は、自分がHSPであることが理由であって、この特質がなくなることはないと気が付いたのです。なぜ、HSPが一つの場に居続けることが苦手なのか考えてみました。

なぜHSPは学校や職場など一つの場所に居続けるが苦手なのか

①ストレスが人の10倍大きい

学校や職場は、HSPにとって、全てがストレスになってしまうのではないかと思います。学校はまだ自由があるのでいいですが、職場だと社会常識、仕事の成果、人間関係などあらゆることにがんじがらめになってしまって、生命の危機を感じるほど精神的に参ってしまうことが多いです。特にうわべや損得感情だけで形成された人間関係にストレスを感じることが多いでしょう。

会社の人間関係では、派閥、女性同士のマウンティングにいじめ、悪口、など学校の人間関係で行われていることと変わりませんが、さらに悪質になっています。私は、会社でも学校と同じようなことが繰り返されるとは全く予想していなかったので、攻撃の対象とされたときの衝撃が大きかったです。

また、感受性の強さから、周囲の期待に応えなければいけないという責任感が強くなり、大きなプレッシャーを一人で背負ってしまうことも、ストレスの原因になります。さらに、人前でもプレゼンや営業などが苦手な人が多いと思います。私も、プレゼンや営業のときには緊張のあまり声が全くでなくなってしまうほどでした。

それに加えて、視覚・聴覚・嗅覚過敏などのせいで、あらゆることがストレスとなり、その場にいること自体が苦痛に感じるでしょう。私も、学校や職場にいるときは常に神経をすり減らしていました。

②感受性の高さから損な役回りをする

経験から気づいたことですが、実力のわりに身分が高い人は、集団の中で自分の利益を追求する気持ちがとても強く、他の人の手柄を奪っていることもよくあります。そのような人が精神的な面では競争社会では生きていきやすい人なのでしょうが、逆に手柄を奪われている側の人たちの中で多いのが、感受性が高くて損な役回りをするHSPなのです。

私も、会社で働いていたころを振り返ってみると、自分の企画したプロジェクトの手柄をうまく奪われてしまって悔しい思いをしたり、会社に対するサービス精神が強すぎたりしたことがありました。

例えば、今はサービス残業が問題になっていますが、会社に入るということは、「会社に自分の魂を売る」ことと同じ意味を持っているので、喜んでサービス残業をしていましたし、休日も無賃金で働いていました。なので、時給はほんの数百円円だったのではないかと思います。学校でも、いじめられっ子をいつも守っていたせいで、どんどん周りから人が離れていきました。

集団に属したら、自分の利益を得るために、ある程度は狡猾な面が必要とされます。しかし、感受性が高いHSPにはそれができず、損な役回りばかりして、最終的にその場所に居たくなくなってしまうのです。

③心を病む

①で説明した大きなストレスと、②で説明した損な役回りばかりすることの2つがどんどん積み重なっていくことで、心を病んでいきます。私も、学校や複数の職場などで、毎回心を病み、その場に居続けることができなくなってしまいました。今まで何度うつ病を発症したのか、わからないほどです。

精神的に参ってくると、勉強や仕事など本来その場にいる目的を達成できなくなってしまい、なおさら病んでしまって悪循環に陥ります。中学生・高校生のころうつ病になって勉強ができなくなってしまったときは、自己責任だからまあいいかと思っていたのですが、会社に入ってから病んできたせいで仕事の効率が悪くなってしまったときには、周囲の目線が気になり、完璧にできない自分なんて価値なんかないと思ってすぐに辞めてしまいました。

HSPが集団の中に長く居続けると心を病んでしまうのは、宿命なのかもしれませんね。

おわりに

HSPの特性を知って、一つの場所で働き続けることをあきらめた今では、もう人間関係で悩まなくてもいいということが、とても楽に感じています。特定の場所で、人間関係を維持しながら生活し続けるとしたら、よほど善人に囲まれていないかぎり、無理なのではないかと思います。しかし、いつかは人間関係の中で喜びを感じられるようなことがあればいいな、と少しの希望は持っています。HSPの気持ちを少しは理解してくれる人が増えてくれるといいのですがね。