HSPが都会と田舎で暮らすメリット・デメリット[人間関係と自然環境]

私は都会と田舎の両方に、住んで暮らした経験があります。この経験から、HSPにとって、どこに住むのかということは、生きづらさを軽減したり悪化させたりし、生きづらさと密接な関係にあることを体感しました。今回は、私が都会と田舎に住んでみて気づいた、それぞれのメリットとデメリットについて書きます。敏感すぎて生きづらい方は、住む環境を見直してみると大きく改善される場合もあるので、ぜひ参考にしてみてください。

どんな場所に暮らしたか

最初に、どのような都会と田舎に住んだのか説明しておきます。私が暮らした都会は、まさに都会の中の都会でした。24時間、静寂が訪れることはなく、喧噪が続くような場所で、1日に何度もパトカーがサイレンを鳴らしながら走っているような、少し治安の悪い場所でした。HSPにとってこのような場所は見た感じ明らかに住みづらそうですが、悪い面ばかりではなく良い面もありました。

一方、私が暮らした田舎も、田舎の中の田舎でした。自然環境にはとても恵まれていましたが、自然が遊び相手と言えるほど何もないところでした。HSPにとってこのような静かで穏やかな環境は住みやすそうですが、悪い面もありました。

HSPが都会と田舎で暮らしたときのメリット・デメリット

HSPと人間関係のしがらみ

HSPは田舎のような濃い人間関係よりも、都会のように薄い人間関係のほうが、精神的に非常に楽です。

私はHSPと性格的なことが理由で、人間関係には失敗しやすいタイプなのですが、田舎では失敗して引きこもってしまったのに対し、都会では何度でも新しい人間関係を作ることができたので、人間関係の面では都会のほうがメリットが大きいと感じています。

田舎だと、関係が悪くなっても、その場所に住み続ける限り嫌でも顔を合わせなければいけないし、監視社会だから変なことができない上に、何か少しでも地域の人に悪い印象を持たれれば、あっという間に噂話が広まってしまいます。ただでさえ人間関係には気を遣うHSPが、田舎のような人間関係の中にいた場合、私のように、人と会いたくなくなって引きこもってしまう恐れがあると思います。

一方、都会は、学校や会社などの集団に属してもその場限りの関係で、基本的に干渉し合わない関係なので、HSPが人間関係に気を遣いすぎることなく、のびのびと生活することができます。都会では孤独な人が多いと言われていますが、個人的にはHSPは孤独なほうが、人間関係に縛られるよりも、遥かに精神的に楽なのではないかと感じています。

HSPと自然環境

ほどんど全ての人が自然とのふれあいを求めていますが、私が感じていることは、HSPにとって自然とのふれあいは生きていく上で必要不可欠なものだということです。

自然がない都会に暮らしていると、いつも「心が呼吸をしていない」と感じます。それで、どんなに頑張りたいことがあったとしても、弱った心が頭についていけなくなり、張り合いのない日々が続いてしまいます。体に酸素が必要なように、心にも自然という名の酸素が必要なのです。なので、自然環境の面では田舎に暮らすメリットが大きいです。

ただ、困ったことに、田舎に暮らして自然のエネルギーを吸収したとしても、田舎には都会のように社会に影響を与えるような仕事や社会貢献活動の場が少ないため、そのエネルギーを発揮できる場がないという面があります。一方、田舎から都会に帰ると、最初は元気でもわずか1ヶ月でも経てば、また心の酸素が不足して、元気がなくなってしまいます。

このことからわかるように、「人間と自然の共生」はHSPにとって重要なことです。都会に暮らしていて、生きづらさを感じているHSPの人がいたら、田舎に行って自然のエネルギーを吸収してみてください。何か今後の人生を送るうえで大切なことに気付くかもしれません。

おわりに

都会と田舎、両方に暮らしてみて、このようなメリット・デメリットがあることに気が付きましたが、最終的には田舎に暮らしたいと思いました。人間関係で面倒なことが多い面があったとしても、やはり自然がないせいで感じる「心が呼吸をしていない息苦しさ」を解消できることが大きいです。HSPにとって住む環境は重要なことなので、見直してみるといいと思います。